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2017.10.29 [イベントレポート]
「彼らは世界と「声」という平和な武器で戦っています」10/26(木):Q&A『ナポリ、輝きの陰で』

ナポリ、輝きの陰で

©2017 TIFF
左からルカ・ベッリーノ監督、シルヴィア・ルーツィ監督、シャロン・カロッチャさん、ロザリオ・カロッチャさん

 
10/26(木)、コンペティション『ナポリ、輝きの陰で』の上映後、シルヴィア・ルーツィ監督、ルカ・ベッリーノ監督、シャロン・カロッチャさん(女優)、ロザリオ・カロッチャさん(俳優)をお迎えし、Q&A が行われました。⇒作品詳細 (次回上映11/1・14:35~)
 
シルヴィア・ルーツィ監督:皆様こんばんは。東京に来ることができて、またこの素晴らしい映画祭に参加できて大変光栄に思っております。皆様来てくださってありがとうございます。
 
ルカ・ベッリーノ監督:私たちはとても嬉しいです。人生には忘れられない時というのがあると思いますが、まさにこの数日がそんな日々です。
 
シャロン・カロッチャさん:皆様こんばんは。東京に来られたことは光栄です。東京は素晴らしくて美しい場所で、とても嬉しいです。
 
ロザリオ・カロッチャさん:こんばんは東京!ここに来ることが出来てとても嬉しいです。東京はとても美しい街だと思いますし、来て数日ですけれども、非常に平和に満ちた場所だということを感じています。ベネチア映画祭にも行きましたが、この映画が皆様に気に入っていただけることを願っています。
 
Q:監督のお二人がこの地域に取材に行かれた時にロザリオさんに出会って、そしてこの映画が生まれていったと伺いました
 
シルヴィア・ルーツィ監督:ロザリオもシャロンもこれが初めての映画で、もともと俳優ではありませんでした。この映画のために多くのオーディションをして、実生活でも父と娘である、そういう2人を探していました。キャスティングを終えた後、あるお祭りでロザリオに会い、実際にぬいぐるみを売っているところ見て、またシャロンが歌を歌っているのを聞いて、完璧だ!ということで彼らに決めました。
彼らと出会う前にある程度のプロットは書いていたんですが、それは完全なものではなくて、会った人たちによって脚本を発展させていこうと思っていました。こういうタイプの映画はまだ撮ったことがなかったので、どんなものが出来上がるのか自分たちも分かっていませんでしたが彼らと出会って実生活の要素、それはぬいぐるみのこととか他にもいくつかですが、それを盛り込み完成させました。脚本を執筆するうえで、ロザリオ自身が協力してくれました。
 
Q:シャロンさんはどのくらい演じていて、どのくらいが素の自分だと思いますか?
 
シャロン・カロッチャさん:この映画の中でのリアルな部分っていうのは、自分が歌うっていうことですね。生まれたときから歌うことが大好きで、これからも歌うことは大好きだと思います。演じるということに関しては、非常に素晴らしく感動しました。自分ではそんなことができると思っていなかったです。(日本語で)トウキョウ、アリガトウ!
 
シルヴィア・ルーツィ監督:どれだけ本当の自分なのかって質問よ(笑)
 
シャロン・カロッチャさん:(笑)実際にはそんなに悲しくないので、歌うこと以外はフィクションですね。
 
シルヴィア・ルーツィ監督:現実のシャロンはすごい女性です。この映画を通じて「悲しい」っていう感情を持つことを学びました。
 
Q:この映画自体、ロザリオさんの顔ですべてが引っ張られるようなスタイルになっていますが、ご自身でご覧になってどう思われましたか?
 
ロザリオ・カロッチャさん:自分を大きいスクリーンで見るのは素晴らしく感動的でした。それから、シャロンが叫ぶあのシーンを見ると必ず泣いてしまいます。この映画で描かれている、私がぬいぐるみを売ってシャロンが歌うっていうのは、これからも続けていくのではないかと思います。
 
Q:精神的な表現を映像から感じることができました
 
ルカ・ベッリーノ監督:私たちが関心を持っていたのは、プロセスを見せることでした。ワンシーンを撮るために何度も何度もリハーサルを重ねっていって、その中で一緒にエモーションを作りあげていくという作業をしました。この作品のロングショットはそのために必要だったプロセスで、さらにクローズアップは彼らが住んでいる環境を見せたかったからです。例えば東京とは全く反対のタイプの場所で彼らの感情が展開していく様子を描きたかったというのもあります。ロザリオは閉じこもっていってしまう、シャロンはもっと自由を得たいという気持ちを持っていくという、そういう感情の動きを表現したかったのです。
その感情を展開させていく為に、物語の流れで、その感情がきちんと育っていくように撮影していきました。
 
Q:難民を排除するという厳しい世の中で、父娘を描いたことについて
 
シルヴィア・ルーツィ監督:シャロンが登場する最初のシーンは非常に重要なシーンで、それは私たち自身のことでもあるし、私たちがシャロンを見ているということでもあります。映画の中でも言っていますが、自分たちが語っていることに対して裁くことなく見せたいという意思の表れで、自分たちにとっては非常に重要です。父娘は、彼らにとって友好的ではない世界に対してシャロンの声という武器を持って戦っているわけです。ロザリオにとってシャロンは輝く星なんだけれども、それになかなか気づいてくれない世界と「声」という平和な武器で戦っているんです。

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