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2017.10.29 [イベントレポート]
新鋭監督の自主上映ムーブメントSHINPA 今泉力哉が前野朋哉が自主製作に際し嫁と戦った!
SINPA

eiga.com

 第30回東京国際映画祭のミッドナイト・フィルム・フェス!企画「SHINPA vol.6 in Tokyo In-ternational Film Festival」が10月28日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、二宮健監督、小林達夫監督、監督に挑戦した女優・佐津川愛美、俳優・前野朋哉らがトークショーに出席した。

 「SHINPA」は、「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティー」などで知られる二宮監督ら若手の新鋭監督が映画界に新しい波を起こそうと、2014年から都内で実施している自主上映会のこと。今回、映画祭が第30回を記念する試みとして新たに設置した「ミッドナイト・フィルム・フェス」で上映されることになった。撮り下ろしとなる10本すべてがワールドプレミア上映となる。

 二宮監督は「4月、飛び込みで事務局に持ち込んだ。SHINPAは14年の池袋の新生館シアターで一気に上映会をしよう、というところから始まりました。1回目の監督は13、14人くらい。『やらない?』と声をかけるという芋づる式。友達が友達を呼んだりしていましたが、最近は『この指とまれ』という感じ。小林監督とは暮れから誰を呼ぼうかという話をずっとしていて、結果、このメンバーになりました。実は5人くらい脱落しているんです」と話した。

 今回、初参加となった女優の佐津川愛美は「(監督として)みんなにお見せするのは初めて。1月に二宮監督の映画に役者として出演していたら、小林監督が遊びに来ていました。しゃべっていたら、『佐津川さんって、撮りたい側の人じゃないか?』と言われ、まんまとのせられた(笑)。なんか面白いかもと思い、事務所に確認したら、『いいよ』と言われたんです」と経緯を語った。

 「こっぴどい猫」などがある今泉力哉監督は「一番の闘いは嫁でした。自主映画を続けて、商業映画をやったので、自由さは肌身に感じている反面、『自主映画はお金が減るけど』と言われた。なので、今回はケータイひとつでスタッフ0人の映画を作った。150万円、200万円かけたという人がいるけど、結局は面白い映画を作れるかどうか。東京国際映画祭でかけられる、こんなありがたい企画はないので、嫁を説得しました」と明らかにした。

 初参加の前野朋哉は「自主映画を撮りたいと思った時に声をかけてもらった。僕も嫁と戦った。『ついに来たね』と言われました。指輪を買っていなくて、指輪貯金があったので、『それを使って面白いのを撮れよ』と言われたので、『ハイ』と言いました」と笑う。

 「Dressing Up」で第25回日本映画プロフェッショナル大賞・新人監督賞を受賞した 安川有果監督は「たまたま新宿ですれ違って、二宮監督に声をかけられた。なにかのご縁じゃないかと思い、『やる』と言った。映画祭でかかるとは聞いていなくて、引き下げようと思ったくらい。貯金ないなと思ったので、初めてお金集めもしました」と資金面の苦労を語った。

 最後に、二宮監督は観客が埋まった劇場を見渡し、「これが本当にSHINPAなのかというくらい壮大な景色。こういう場で上映できて、うれしい」と感激した面持ちだった。

 第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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