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2017.11.08 [イベントレポート]
「音が入るとずいぶん印象が違うんですよ。こんな作品を作っていたのかって(笑)。」10/30(月):Q&A『MUTAFUKAZ』

MUTAFUKAZ

©2017 TIFF

 
10/30(月)、特別招待作品『MUTAFUKAZ』の上映後、西見祥示郎監督とプロデューサーの田中栄子さんをお迎えし、Q&A が行われました。⇒作品詳細
 
西見祥示郎監督:こんな遅い時間のプログラムに、こんなにたくさんの方が来てくださって嬉しいです。ありがとうございます。本当に嬉しいです。
 
田中栄子さん:この作品、実は5年ぐらい前から作っていまして、3年前には映像の方は完成していたんですね。たっぷり時間をとって、フランスでアフレコをして、音楽を作り、SEを乗せて、やっと日本に来ることができました。もしかしたら、日本で公開はできないのではないかと思って、ずっと監督とドキドキしていましたよね。なので、今日皆さんに観てもらえて本当に嬉しいです。
 
Q:タイトル・作品について
 
西見祥示郎監督:僕も最初分からなかったのですが…。外国の方がたくさんいらっしゃる中でこういうことを言っていいのか分からないんですけれども「Mother fucker」という意味だそうです(苦笑)。
 
田中栄子さん:フランスでは大ヒットというよりは、ものすごくコアなファンに愛されているという作品だと思うんです。フランスのバンド・デシネと呼ばれる漫画で、アメリカの人種のるつぼというか、負け犬たちを描いた原作です。フランス人が描いたアメリカ人たちを日本人の西見監督が映画にするってちょっと無茶苦茶ですよね(笑)。
 
Q:西見監督との作業について?
 
田中栄子さん:本当に昔から「この業界に天才あり」といわれていまして、皆がこんなすごい絵をかく人がいるんだという、彼の描いた絵が業界に回ってきていまして、いつか彼と一緒に仕事がしたいということで、願っていました。実際には『マインド・ゲーム』という作品で原画をやっていただくことからスタートして、中島哲也さんの『下妻物語』という映画の中でのインサートのアニメーションの映像とか、宮藤官九郎さんの『少年メリケンサック』のインサート映像だとか、『バットマン ゴッサムナイト』というアンソロジー作品の第一話とか、いろいろな作品で個性の強いオリジナリティのある才能を発揮してくれていたので、この作品に出会ったときは彼しかいないって思いました。こんな個性の強い『MUTAFUKAZU』のような作品は彼しか監督できないって思いますね。
 
Q:原作コミックに出会ったきっかけは?
 
田中栄子さん:この作品の原案で漫画家のギヨーム・ルナールさんを“ラン”さんってお名前で呼んでいるんですけど、共同監督という形でこの作品に携わっています。そのランさんがSTUDIO4℃のことがとっても好きだということで、ある日フランスから「ボンジュール」って電話がかかってきたんですね。そこから一緒に作ることになったんですけど、フランス語では私たちは作れないので、西見監督と一緒に日本語で作るなら、一緒に協力して作ることができるのは、ということで、まずはバンド・デシネを日本語に翻訳するところからスタートして一緒にシナリオから作るという形でこのような作品が生まれました。
 
西見祥示郎監督:最初に話しを聞いたときには内容はよくわからなかったのですが、これをどうすれば面白くなるのかっていうことばっかり考えていました。
 
Q:完成した作品をご覧になっていかがですか?
 
西見祥示郎監督:観た方に「面白かった!」って言ってもらえれば本望です。僕がその時できる範囲のことはやったと思っています。
 
田中栄子さん:もともとこの作品って、プロレスラーが出てきたりとかたくさん登場人物もいて、それぞれに自分の存在って何なんだろうって悩んでいて、すごくテーマもたくさんあって大変でした。1本の映画にまとめるということで西見監督はバディーものとして、いいよねって最後に言えるような、そういう作品を作りたいと思われた。でも観客にはそれだけじゃ面白くないから、別のキャラクターをフューチャーしたいってランさんも含めて考えました。彼は自分もこの作品をどうしたら面白く作れるかって考えて、本当に長く話しましたね。話して、変更して。内容もシナリオもです。
結局制作中は、私たちはこのフィルムを全然観ていなくて、本当に直前にDVDで仮のものを観たんですが、西見監督が観終わって一言、「こんなにバカスカ撃ち殺してたっけ?」って(笑)。
 
西見祥示郎監督:そうですね(笑)。あらら~って思いましたね。
 
田中栄子さん:あれ?とか言って。
 
西見祥示郎監督:音が入るとずいぶん印象が違うんですよ。こんな作品を作っていたのかって(笑)。
 
Q:今後、日本公開の予定はありますか?
 
田中栄子さん:この作品はまず日本語で作ったので、このあと日本語のアフレコをしまして、来年の夏に日本公開の予定です。
 
西見祥示郎監督:製作中は辛くて、辛くて、それだけ公開の日が待ち遠しかったですけどね。せっかく作ったんだから大勢に観て欲しいという気持ちはありましたね。だから本当に今日はラッキーですよ、皆さん。大勢の観客の方に観てもらえて、本当に嬉しいですよ。
 
Q:アニメ業界を目指す方にアドバイスはありますか?
 
西見祥示郎監督:ただ上手に世の中を渡り歩いているだけで、運でここまできたっていう(笑)。
 
田中栄子さん:「上手に渡り歩けてなくて」でしょ!(笑) なかなかうまくいかなくて。
みんながよく愚痴を聞いてくれてね、周りの人々が情けないから手伝っちゃおうみたいな気持ちにさせるのが上手いです。
 
西見祥示郎監督:僕の隣で仕事をするとみんな嫌がりますよ(笑)。愚痴ばっかりでうるさいって。
 
Q:監督から「この作品のここを観てほしい」を教えてください。
 
西見祥示郎監督:はっきりとは言えないんですけれど、色々僕らも映画が好きなんで、「ちょっとこういう秘密入れてみない?」っていう感じで、原作のランさんと話しあって、ちょこちょこっと遊んでいます。でもそれは「僕たちだけの秘密ね」って(笑)、ランさんと約束してしまったので内緒です(笑)。
でも見所って言ったら・・・カーチェイスとか。好きな映画があって、そのオマージュみたいに、色々な映画のシーンをちょっとチョイスしているところがあるので探してください。
本当に何度も観てもらえるととても嬉しいですけどね。少しでも気に入ってもらえれば、作った甲斐がありますね。

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