第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されたジョージア、リトアニア合作『泉の少女ナーメ』が11月1日上映され、ザザ・ハルバシ監督、女優のマリスカ・ディアサミゼ、プロデューサーのスルハン・トゥルマニゼが、記者会見を行った。
ジョージアの山岳地帯で、村に伝わる癒しの泉を守る一家。息子たちは独立し、父は娘のナーメに後を託すが、ある日泉の異変に気付く。ファンタジーと現実社会が溶け合い、幽玄で繊細な映像美で描いた現代の寓話。
プロデューサーのトゥルマニゼ氏は「日本の皆様にこの映画に潜んだ美と感情を理解していただけてうれしく思う」と世界初上映を喜び、ハルバシ監督は「5年間をかけて製作した映画。私の魂の展示といっても過言ではありません」と作品に込めた思いを語る。
今作は、伝統的な暮らしを続ける人々が住む、神秘的な山村が舞台。このような村が実在するのか問われた監督は「現実です。このような自然の中で生活する集落が山の中にあり、我々はカメラを持って行っただけです」と、文明から取り残されたような村をそのまま映したと話した。
ヒロインのナーメを演じたディアサミゼは、「私は昔から日本が好きで、たくさんの本や映画を見てきました。特に是枝裕和監督の作品が大好きです。今回来日でき、夢がかないました」と笑顔で語り、母親から勧められた「誰も知らない」で、是枝監督の作品を知り、個人的なお気に入りは「歩いても 歩いても」だと明かした。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。