10/27(金)、コンペティション『ザ・ホーム-父が死んだ』の上映後、アスガー・ユセフィネジャド監督、女優のモハデセ・ヘイラトさんをお迎えし、Q&A が行われました。⇒作品詳細
アスガー・ユセフィネジャド監督:とても美しい街東京、そして文化的にとても知識が高い日本のみなさんと一緒に上映が出来て、とても嬉しいです。最初の海外での上映はこの東京国際映画祭なので、とても光栄です。皆さんに最後までご覧になっていただいて、我慢して観ていただいて本当にありがとうございます。
モハデセ・ヘイラトさん:みなさんこんにちは。日本に来たのが初めてなので、たくさんの方に私たちのイラン映画を観ていただけて本当に嬉しいです。とても素敵な国に初めて来たのでとても嬉しいです。
Q:長回しが印象的でした。イラン映画では長回しは多いでしょうか?
アスガー・ユセフィネジャド監督:長回しについてちょっとお話しいたしますが、必ずしもイラン映画にそういう作品が多いとは言えないと思います。社会派の映画や、イランの現実的な話を撮った映画でも、実際には違うタイプの映画が多いです。カット割りがたくさんある作品も多いです。でも私は現実的な役者の気持ちをカットするのはいけないかなと思っています。エモーショナルなシーンなら、やはりカットを入れずに役者に任せて、自分の感情で演技していただく時は、カットを入れないです。だけどセリフが必要な場合、または動きが必要な場合とかには、もちろんカットは入れています。だからこの映画の場合も初めからずっと長回ししようとは、もちろん決まっていませんでした。それでシーンごとに、このシーンは刻んだ方が良いと思ったらカットを入れていますし、このシーンは、やはりけっこう感情を表しているシーンだと思ったら、カメラは邪魔にならないように長回ししよう、とそういう撮り方をしました。
Q:モハデセさんは長回しに対してプレッシャーを感じることはありましたか?
モハデセ・ヘイラト:私は、舞台俳優なんです。映画撮影のカメラの前に立ったのは初めてでした。カメラの前で演技をして、初めて映画を撮るということ、初めてがこのような作品になったということは、もちろん難しかったです。リハーサルを3か月間やりました。その3か月間のリハーサルはワークショップみたいだったんですけど、本読みもたくさんやりました。その3か月間終わってからセットに行って、実際この映画の中でご覧になったセットの中では1週間、すべての動き、リハーサルをやりました。ディテールを覚えた後、もう1週間、カメラの前でもう1回全部を演じました。即興的に何かやる時というのは、監督は必ずチェックしているのでOKが出ないと私たちは出来なかったんですね。監督のやり方があったからこの役を初めてカメラの前で演じることが出来ました。
司会:監督から最後に締めのお言葉をいただけますか?
アスガー・ユセフィネジャド監督:私は日本語は喋れませんが、私たちは、“映画という言葉”でお互いにコミュニケーションがとれると思います。この地球は、今、混乱していますが、アート、または映画は、もっとすごいことが出来るのではないでしょうか?それを願っています。