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2017.10.31 [イベントレポート]
ルクセンブルクの新鋭監督、母国の現実にハリウッド感覚取り入れたスリラーに自信 『グッドランド』
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   第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されたルクセンブルク・ドイツ・ベルギー合作『グッドランド』のコビンダ・バン・メーレ監督、プロデューサーのジル・シャニアルが10月31日、記者会見を行った。

 ルクセンブルクの農村に仕事を求めてやって来たドイツ人の流れ者と受け入れた村人たちが、互いに抱えた秘密を隠しながらも徐々にほころびが見えていくスリラー。同国出身のバン・メーレ監督は、これが長編デビュー作で「初めての長編映画を東京で上映できて光栄だ」と喜びをかみしめた。

 ドイツ人が仕事を探す冒頭のシーンで、村人が「ポーランド人しか雇わない」と返すやり取りに関し、第2次世界大戦やアウシュビッツの問題のメタファーなのではという質問には、「全く意図していない。実際にルクセンブルクの農業を支えてくれたのがポーランド人だったという歴史がある。でも、それは興味深い解釈だね」と笑顔。村人たちがブラスバンドを結成している描写については、「ルクセンブルクの人は音楽が大好きで、どの村にもブラスバンドがあるんだ。よく演奏するのは、『ジョーズ』や『スター・ウォーズ』。俗っぽいかもしれないけれど、ハリウッド的な感覚もちょっと見せたかった」と説明した。

 村人たちは秘密を守るために、流れ者を取り込もうと色仕掛けをはじめあらゆる手段を講じる。当然、エロティックな描写もあるが「この映画の資金集めをしている時に、こんなことが起きるのか?とよく言われた。調べてみれば、現実にもブラスバンドのメンバーが女性を集団でレイプしてそれを黙り続けていたとか、割と近くで起こっているんだ。昔の話ではなく、今起こっていることなんだよ」と強調。シャニアルも、「共同体を守るためには、異邦人に風習を押し付けることはよくある。これは今のヨーロッパの移民問題にも通じていると思う」と解説した。

 第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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