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2017.10.31 [イベントレポート]
『オーシャンズ11』S・ソダーバーグ監督、映画作りは「究極のVRゲーム」
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eiga.com

   ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモンらが共演し、「オーシャンと十一人の仲間」をリメイクした『オーシャンズ11』が10月31日、第30回東京国際映画祭で上映され、来日したスティーブン・ソダーバーグ監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでQ&Aに臨んだ。「コンテイジョン」以来6年ぶりに来日したソダーバーグ監督。「6年前は宝塚歌劇団が上演した『オーシャンズ11』を見たんだ。演劇体験としては、記憶に残る素晴らしいものだった」と意外なエピソードを披露していた。

 本作は、各分野のプロフェッショナル11人が、ラスベガスの地下に眠る金庫から1億5000万ドルを盗み出すという前代未聞の現金強奪計画に挑むサスペンスアクション。ソダーバーグ監督は、オリジナルの「オーシャンと十一人の仲間」を「時代を反映したビジュアル・カルチャーで、有名というよりも悪名高いといった方が正しいかもしれない。特にプロットは改善の余地があったからね。だからこそ、リメイクすることには全く躊躇はなかった」と評していた。

 「オーシャンズ12」「オーシャンズ13」を含むトリロジーとして見た場合「このシリーズは、私が監督したもののなかで、最もスーパーヒーロームービーに近いもの。ファンタジー映画としてとらえている」とソダーバーグ監督。「視覚的な面でなんでもチャレンジしていいというチャンスをもらったんだ。3作を共通する要素は、ズームレンズを有効的に多用していることです」と明かしていた。

 自作のほとんどで撮影&編集も兼任していることから「体力的にも年齢的にも自分でカメラを回すスタイルはいつまで続けるのか?」と問われると、「(この手法は)私としては自然な流れ。最初に映画を撮り出した頃からやっていることです。映画を作りたいという衝動を感じられる」と答えると、「実は編集作業が一番好きなんです」とニッコリ。「その日の撮影が終わったら、すぐにフッテージを編集していくんですが、私にとってはまさにご褒美のようなもの。すごく興奮する瞬間なんだ」と語っていた。

 「私の仕事は究極のバーチャル・リアリティ(VR)ゲームのようなもの」と絶妙な表現で言い表したソダーバーグ監督は「人間が沢山いて、お金をたくさん使って、時間も限られている。天候にも左右され、私の強みや弱みが試されている。ベストを尽くさないとすぐに悪い作品になってしまう」と理由を説明した。さらに「毎日がチャレンジ。常に次作の構想を考えていて、(オスカーへのノミネートや受賞などの)結果は考えていないんだ」と胸中を吐露していた。

 なお、11月3日まで開催される第30回東京国際映画祭では、2013年の「サイド・エフェクト」を最後に映画監督業を退き、テレビ業界を中心に活躍していたソダーバーグ監督の映画監督復帰作「ローガン・ラッキー」が、特別招待作品としてお披露目される。
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