シンガポール、日本、フランスの3カ国合作映画「ラーメン・テー」の完成報告会が10月27日、第30回東京国際映画祭で行われた。メガホンをとったエリック・クー監督、出演の斎藤工、松田聖子、別所哲也、マーク・リー、ジネット・アウが、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでの会見に臨んだ。
シンガポールと日本の外交関係樹立50周年(2016年)をきっかけに制作された本作は、両国のソウルフードである肉骨茶(バクテー)とラーメンを軸に、2国間で交錯する家族愛を描き出す。高崎でラーメン屋を営む若き店主マサトは、亡き両親が歩んできた道をたどるべく、シンガポールへ向かう。現地で出会った日本人フードブロガー・ミキのサポートを受けながら、壊れた心を救うような料理を完成させる。
この日は、キャストのコメントや撮影風景を収めた映像が上映され、撮影現場でマサト役の斎藤が、ミキ役の松田を「聖子さんはレジェンドであり、ミューズ」と称える姿が披露された。会見本番でも“永遠のアイドル・松田聖子”へのラブコールが止まらず、リーが「中学生の頃からのファンである聖子さんに感動しました。ベッドルームにポスターを貼っていました」と熱視線を送ると、負けじと別所も「僕も高校生の頃、松田聖子さんのポスターをベッドルームに貼っていました」と明かす。
さらに、松田の出演を熱望したというクー監督も「私ももれなく聖子さんの大ファンでありまして。私の映画に出ていただいて、ミキ役を素晴らしく演じていただいて光栄に思っています」と告白。男性陣の“告白合戦”のなか、松田は驚きのあまり吹き出し、照れ笑いを浮かべていた。
「日本のスタッフとシンガポールのスタッフがひとつになって撮影していた」という本作。松田は、斎藤の印象を「初めてご一緒させていただきましたが、お人柄が素晴らしく、誰にでも親切で優しくて、心の温かい方」と話し、別所は「気配りの人ですね。全体を見ていらっしゃる。監督としても俳優としても、今後残っていかれる方」と信頼を寄せる。斎藤は、「あまりにも特別な時間だった」と撮影を振り返り、「このメンバーでここにいられてうれしいです」と喜びを噛みしめる。さらに「シンガポール映画界は、エリックを筆頭にここ10数年で躍進している。現場には本当に優秀なスタッフがいる。言葉以上の、エモーショナルなものを共有しようという、素敵な現場でした」と明かした。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。