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2017.10.26 [イベントレポート]
トミー・リー・ジョーンズの着眼点は?第30回東京国際映画祭コンペ審査員が会見
審査委員記者会見
©2017 TIFF

eiga.com

第30回東京国際映画祭のコンペティション部門審査員による会見が10月26日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、審査委員長のトミー・リー・ジョーンズ(俳優)をはじめ、審査員のマルタン・プロボ(映画監督)、レザ・ミルキャリミ(映画監督)、ヴィッキー・チャオ(女優)、永瀬正敏(俳優)が出席した。

 今年は88の国と地域から1538作品が応募され、15作品が選出。審査員にもアメリカ、フランス、イラン、中国、日本と各国からビッグネームがそろったが、ジョーンズ審査委員長は「私たちは世界を代表するわけでも、特定の地域を代表するわけでもない」とし、「いまは審査委員同士の仲が良くなってきているところ。1週間を通して、望む以上にお互いのことを知ることになるかもしれませんが、ハッピーな冒険になるでしょう」とウィットに富んだ語り口で期待を込めた。

 さらに2001年の第14回東京国際映画祭で2冠を達成したミルキャリミは、審査員として参加することに「今回はまったく違う状況。芸術作品の審査は、非常に難しい立場です」と苦笑いを浮かべる。続けてチャオは「観客と一緒に映画の旅をしよう」と決めているそうで、「審査委員の皆さんと映画を一緒に見て、最適な判断をしたい。そして観客にも、最高の映画をオススメしたい」とほほ笑んだ。

 6月にもフランス映画祭2017で来日していたプロボは、「再び日本に来られたことも嬉しい」と喜び、「審査する立場は非常に責任がある。作品の裏側に含まれる意味合いを考えながら、世界で何が起こっているのか、その温度を体感できればと思う」と真摯に語る。永瀬は「すでにノミネートされている15本は、それだけで大変素晴らしい作品だと証明されている」と称賛し、「僕が気をつけることは、全部の作品にグランプリを与えないようにすること(笑)。観客の目も、作り手の目もありつつ、素晴らしい作品を選べればと思います」とジョーク交じりに意気込んだ。

 またテーマもジャンルも多種多様な作品が集っただけに、「どこをポイントに見ていくか?」という質問が。ミルキャリミは「映画的価値観。その後は内容に注目したい」と答え、チャオは「方向性、内容、表現、全体的な完成度を重視しています」と述べる。プロボは審査員の責務を一旦忘れ「シンプルでオープンな心を持ち、1人の観客として見たい。いい映画は心に直接届く。すべての作品から、すべての人の大事な部分に響くものがあることを願っています」と話し、永瀬も「自分の心がどれだけ動くか、です」と大きくうなずいた。

 そしてジョーンズ審査委員長は、「巧みにつくられており、観客に強制することなく理解を深められるような作品を見たい」と希望したうえで、「完成度が高く、フォーカスが合っていて、物語の整合性がとれているものを求めます」と語る。続けて「審査員の我々には、政治的意図はありません。人間の知的、感情的な人生の送り方など、そういったことに共通する“人間味の要素”を見ていくことになる」と、政治的ではなく人間味あふれる作品に注目していると明かしていた。

 第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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