第30回東京国際映画祭が10月25日、東京・六本木ヒルズで開幕した。土砂降りとなったこの日、442人の映画人がレッドカーペットを練り歩き、沿道にあふれ返った約1900人のファンに笑顔を向けた。コンペティション部門に選出された「勝手にふるえてろ」に主演した松岡茉優は、国際映画祭への参加が初となったが「超寒い! でも、映画祭ってこんなに楽しいとは……。東京国際映画祭は、熱くて強い映画祭ですね!」とニッコリ。アジア系のメディアからも絶大な人気を誇り、それぞれに熱い口調で取材に応じていた。
レッドカーペットで先陣を切ったのは、2016年に再結集した4人組の人気ロックバンド「THE YELLOW MONKEY」のメンバー。特別招待作品としてこの日に上映されたドキュメンタリー映画「オトトキ」を引っさげての参加となったが、ボーカルの吉井和哉は「うれしいけど苦手ですね。もっと歩く練習をしておかないとなあ」と苦笑い。また、「ミッドナイト・フィルム・フェス!」で監督作「ハルオ/HARUO」が上映される前野朋哉は、「こんなに人がいるとは思わなかった。すごい注目度。お祭りですね」と満喫している様子だった。
日本映画スプラッシュ部門に選出された「おじいちゃん、死んじゃったって。」に主演の岸井ゆきのは、「東京国際映画祭への参加は3年連続なので、とっても嬉しい。この作品のキャスト、スタッフとレッドカーペットを歩けて、本当に嬉しいです」。一方、同部門の常連ともいえる越川道夫監督作「二十六夜待ち」に主演の井浦新は「越川さん、黒川芽以さんと一緒に歩けて感慨深い。10数年前には、故若松孝二監督と歩いたんです。色々と繋がってくるなあって感じます」と言葉を選びながら丁寧に語れば、共演の黒川芽以は「母が昔、使っていた着物を今日は着てあげたいなって思ったんです」と語り、しっとりと控えめな笑みを浮かべた。
そして、沿道からの歓声をひときわ浴びていたのが、特別招待作品「パンとバスと2度目のハツコイ」に主演した元「乃木坂46」の深川麻衣と「三代目 J Soul Brothers」の山下健二郎。国際映画祭に初参加となった深川は、グリーンのドレスに身を包み「皆さん、すごく盛り上がっていますね。お天気を吹き飛ばす勢い!」と瞳を輝かせ、山下も「初めての体験です。この日のことを忘れないで、心に刻んでいきたい」と表情を引き締めていた。
2013年に同映画祭のフェスティバル・ナビゲーターを務めていた山崎紘菜は、大林宣彦監督作「花筐 HANAGATAMI」に出演しており、女優として凱旋。「いつか自分の出演する作品でレッドカーペットを歩きたいと思っていたんです。その夢がかなって、本当に嬉しい」と喜びをかみ締めていた。
コンペティション部門で審査員を務める永瀬正敏は、「いつもは僕らが選んでいただく側。選ぶ側って、もう全部の作品に賞をあげたい気持ちになってしまうんですよね」と胸中を明かす。オファーを受けた理由については、「東京という僕らの住む街で開催される映画祭の30回という記念すべき回なので、ありがたくお受けさせていただきました」と真摯に眼差しを注いだ。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
レッドカーペットに出席した主なゲストは以下の通り(順不同)。
橋本環奈、吉井和哉、松永大司、増田俊樹、今泉力哉、佐津川愛美、二宮健、前野朋哉、松本花奈、堀春菜、安川有果、蒼波純、渡辺大知、松居大悟、田中偉登、森ガキ侑大、山崎佐保子、岸井ゆきの、岩松了、光石研、河瀬直美、上原実矩、内田英治、渋川清彦、山本未來、小西真奈美、広瀬アリス、飯島直子、リリー・フランキー、越川道夫、井浦新、黒川芽以、渡辺紘文、雨宮慶太、青木玄徳、深川麻衣、山下健二郎、行定勲、安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮崎あおい、安藤桃子、石川慶、大林宣彦、窪塚俊介、矢作穂香、山崎紘菜、門脇麦、常盤貴子、原恵一、トミー・リー・ジョーンズ、ビッキー・チャオ、永瀬正敏、大九明子、松岡茉優、石橋杏奈、北村匠海、瀬々敬久、染谷将太、ホアン・シュアン、曽利文彦、山田涼介、本田翼