国際交流基金、ユニジャパン(東京国際映画祭)、上海国際影視節有限公司(上海国際映画祭)が共同で、 12月1日(金)~3日(日)の3日間 中国の上海・深セン・昆明で開催した「2017 中国・日本新作映画上映」(中国語:2017中国・日本新片展)が、中国の映画ファンを連日魅了し、大反響の中で閉幕しました。
オープニング作品『美しい星』/ゲスト:吉田大八監督、橋本愛
【2017年12月1日/上海/上海大光明電影院】
今回の上映会でオープニングを飾ったのは吉田大八監督の『美しい星』。12月1日上海でのオープニング上映は、「東洋一豪華な劇場」と称され由緒ある大劇場「上海大光明電影院」で行われ、吉田大八監督と女優の橋本愛さんが歓声の中1300人の観客の前に登場しました。熱心な映画ファンとのQ&Aでは作品に深く切り込む質問も起こり、『美しい星』に対するゲストとファンの熱い想いが会場を一層盛り上げました。
【吉田大八監督コメント】
上映後に登壇した際、劇場を埋めた1300人のお客さんの熱気を肌で感じることができました。質問のテンションも高く、みんな両手で挙手するからまさに主人公・大杉重一郎の執念そのものが海を越えたような気がして感無量でした(火星人のポーズ、本編参照)。この勢いとノリに応えられるような映画をもっともっと作っていきたいです。ありがとうございました!
【橋本愛さんコメント】
1300人もの観客の方々が、心から映画と自分たちを歓迎してくれていて感動しました。ただただ高揚したり、この作品の芯を捉え深く考察したりと、きっとそれぞれの味わい方でこの映画を楽しんでいただけたのではないかと思います。中国の皆さんの熱気に包まれ、大変なパワーを貰いました。感謝です。
クロージング作品『海辺のリア』/ゲスト:小林政広監督、宮川朋之プロデューサー
【2017年12月3日/深セン/深センブロードウェイ電影センター】
小林政広監督『海辺のリア』クロージング上映は最終日である12月3日(日)深センで行われました。会場には小林政広監督、宮川朋之プロデューサーが深センに駆け付け、クロージングセレモニーと作品上映後のQ&Aに出席しました。会場である「深センブロードウェイ電影センター」は今年11月にオープンした最新設備を備え、世界の優秀な作品を上映する映画ファンのためのシネコンで、熱心な日本映画ファンが会場に集合し、小林監督に質問を投げかけました。
【小林政広監督コメント】
深センは初めてでした。想像していた町とは全く違っていて、高層ビルが林立する都市でした。たった一泊の滞在でしたので、上映会場のシネコンとホテルの往復のみの移動でした。しかし上映はとても素晴らしいものでした。巨大スクリーンに圧倒されました。上映後のQ&Aにもお客さんが熱心に参加してくれて、様々な質問が飛び交いました。『海辺のリア』の中国での上映は初めてでしたので、お客さんの反応の良さには驚きました。
ありがとうございました!
ワールドプレミア『不能犯』/ゲスト:白石晃士監督
【2017年12月3日/昆明/昆明ブロードウェイ影城】
今回の上映会で上映される作品は全てチャイナ・プレミアですが、中でもこの『不能犯』は、全世界初のお披露目となるワールドプレミアとなりました。上海でのワールドプレミアを迎えた白石晃士監督は、さらに上映会最終日に雲南省・昆明の劇場で舞台挨拶とQ&Aに登壇しました。
【白石晃士監督コメント】
『不能犯』が中国でワールドプレミアになるとはまったく予想していなかったので非常に嬉しかったです。
同じ中国でも、都市やお客さんの年齢でリアクションが違うのが面白かったです。びっくりするほどリアクションが大きく心から作品を楽しんでくれているのを感じました。Q&Aでは作品について核心をついた質問をしてくれる人もいて、映画を見る目が養われているのを感じました。
今回の訪中を通して、中国でも自分の映画が通じるんだなという感触が得られたのが一番の収穫でした。今後話があればぜひ中国で映画を製作してみたいと思います。
『心が叫びたがってるんだ。』『ユリゴコロ』/ゲスト:熊澤尚人監督
【『ユリゴコロ』2017年12月2日/上海/上海大光明電影院】
【『心が叫びたがってるんだ。』2017年12月3日/深セン/深センブロードウェイ電影センター】
今回2本の作品が上映された熊澤尚人監督は北京・福州での上映を終えた足で上海に駆けつけ、上海では『ユリゴコロ』、深センでは『心が叫びたがってるんだ。』のQ&Aに登壇しました。
【熊澤尚人監督のコメント】
青春映画とミステリー愛憎劇、真逆の2つの私の作品が上映されました。両作とも、上海でも深センでも観客が大変な熱意を持って集まり、驚きました。また日本で観客の反応が薄いシーンでも、泣いたり笑ったりと、その反応の違いにも驚かされました。上映後のQ&Aでは質問が止まらず、列を作ってサインや記念撮影を求められ、私の以前の監督作品も既に見ているという、その日本映画への熱量の強さを体感し、日中合作映画への意欲がますます増しました。
オープニングセレモニー 2017年12月1日18:00~/上海/上海大光明電影院
【観客の反応】
上映会場にてアンケートを実施。回答をいただいた中から抜粋。
●今回の上映会はとても素晴らしかった!今後も多くの日本映画を上映してほしい。
●開催都市を増やして欲しい。
●このような素晴らしいイベントを他の地域にも広げたい。さらにトークイベントなど監督や俳優たちと交流する場をもっと増やしてほしい。
●橋本愛さんのファンです。今回本人を自分の目で見られて感動しました。また中国に来て欲しいです。
●吉田監督と橋本愛さんが登場する『美しい星』の回のチケットが取れませんでした。残念です。でも作品は観られたので良かったです。面白かったです!!
●文化交流を促進するには映画はとても良い方法ですので、継続的にこの映画上映会を開催して欲しい。日本での中国映画祭もとても期待しています。
●日本の映画監督が中国に来てくれてとても嬉しかったです。次回は多くの俳優さんに来てくれればもっと嬉しいです。
●国から出なくてもこうして日本文化に触れることができてよかったです。このようなイベントを続けて欲しいです。
●上映会はとても良かったです。もっと違う種類の日本映画を見たいです。
●わざわざ広州から深センに日本映画を観に来ました。とても良かったです。もっと多く見たいので、是非来年もやってください。
●松坂桃李さんのファンで、松坂さんの映画を見に来たのですが、白石監督のQ&Aに参加して、監督ご本人もとても面白くて、ファンからのサインや記念写真撮影のリクエストにも全部対応してくださったので、白石監督が大好きになりました。
●1970年代生まれですが、小さい頃は日中がとても仲がいい時期で、日本の文芸作品を沢山見ることができました。この年になって、再び日本映画上映会に参加でき、本当に感謝しています。来年も楽しみにしています。
●日本留学経験があり、日本映画に興味を持っているので、参加しました。
●今回この上映会で『不能犯』を鑑賞できて、本当にありがとうございました。しかもワールドプレミアで!ずっと応援しますから、来年も頑張ってください。
●もっともっと新作を持ってきてください!
●日本のドラマや漫画で育てられてきた世代の一員として、ずっと日本文化に憧れています。今回鑑賞した作品は学校を舞台にした青春物語で、映画を観ている時自分の青春時代を思い出しました。今度は日本に行って、本当の日本を見てみたいです。応援しますので、来年のイベントを楽しみにしています。
●日本映画を見ることで、日本文化に対して理解できるようになりました。熊澤尚人監督も優しくて、素晴らしい交流会になりました。感謝します。