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2017.10.31 [イベントレポート]
「大人というのはいつも人生に困惑している」10/27(金):Q&A『アリフ・ザ・プリン(セ)ス』

アリフ、ザ・プリン(セ)ス

©2017 TIFF
サインWALLの前に立つ(左から)ワン・ユーリン監督、チャオ・イーランさん、ウジョンウォン・ジャイファリドゥさん、マット・フレミングさん

 
10/27(金)、アジアの未来『アリフ・ザ・プリン(セ)ス』の上映後、ワン・ユーリン監督、ウジョンウォン・ジャイファリドゥさん、チャオ・イーランさん、マット・フレミングさんをお迎えし、Q&A が行われました。⇒作品詳細
 
Q:この作品を作るきっかけを教えてください。
 
ワン・ユーリン監督:実はですね20歳位で映画監督になろうと思ったときに、今まで自分の世界は異性の世界と思っていましたが、異性だけの世界だけではなくまた別の世界もあるんだということに気が付きました。僕は同性愛ではなかったので、なぜなんだろうというふうに疑問を持ちました。ずっとそのことを考え続けていて、徴兵で軍隊に入った23歳の時、その軍隊の中に一人の霊媒師がいて、彼は私の様々な疑問に様々な方面から答えてくれました。そして、男女という区別はなく、一人の人なんだ、同じ人間なんだと言いました。
この出会いが、自分がこの映画を撮ろうと思った理由の一つです。自分の周りにいる同性愛の人たちっていうのは、とても才能あふれるすごくいい人たち、温かく優しい人たちです。
アリフ、ザ・プリン(セ)ス
 
Q:いろんなジェンダーや環境の方が出てきますが、今回レズビアンの役で妊娠出産する、ということを、チャオ・イーランさんはどう考えましたか。
 
チャオ・イーランさん:そういう関係になって子供ができますが、その時は本当にそれが愛なのかどうか、それともほかの感情なのかということをわかっていないまま、そういう行為になったと理解しました。その後二人がどうなったかはこの映画でははっきりと語られていません。一緒に住んだのか、別れていったのか。ただ、私の役が産んだ子供は、この命をつなぐもの、そして未来への希望である、世界に希望をもたらす、という風に私は理解して演じました。
アリフ、ザ・プリン(セ)ス
 
Q:監督は脚本家として、どのような考えで物語を作りましたか。
 
ワン・ユーリン監督:先ほどイーランさんが答えた子供が物語に現れるまでは映画は大人の世界なんです。登場人物は全て大人です。ピアノを習っている人にしても大人で、子供ではありません。大人というのはいつも人生に困惑している、非常に複雑な精神世界の中に生きているんです。この子供がいなければ、もしこの大人たちがみんな死に絶えてしまったら、その生命を繋ぐ者がいなくなる。そういう意味で、子供はこれからの将来へ希望をつなぐ存在として、脚本には書きました。
男の子に絵本を見せるシーンが出てくるんですが、あの絵本は以前に福岡国際映画祭に参加した時に見つけて買ったものなんです。この絵本はたくさんの鳥がバーッと飛び出してくるページがあって、そこにこれからの希望を見つけるんです。日本の出版社がこういう本を出してくれたことに感謝しています。
 
Q:この物語にモデルはありますか?
 
ワン・ユーリン監督:本当にこういうことがあったんですけれども、台湾の部族の中で、その頭目の息子が性転換の希望を持っていて、父親はそのことを受け入れられないし、自分の跡を継ぐ者がそうするってことを認められない。台湾の部族の中には女性の頭目もいて、女性も継承できるのですが、自分の息子が女性になりたいってことが受け入れられなかったんです。
残り二つありますが、長くなるのでこの後外で話しましょう(場内笑い)
 
Q:今の台湾で同性婚はどれだけ理解されているのでしょうか?
 
ワン・ユーリン監督:ここ20~30年の間で割と台湾社会では普通の現象という風になっています。台湾の文化的に言ってもそんなに特殊なことではなく比較的普遍的になっています。同性婚について台湾では新たに法律が作られます。アジアにおいては1つ目か2つ目の国になると思います。今の台湾は非常に変化が激しいです。マットさんは台湾に住んで8年になりますので彼に答えてもらいましょう。
 
マット・フレミングさん:この映画を作るにあたって監督やチームに説明しましたが、台湾で起こっている変化は物凄く速いです。伝統ある国、日本や中国、私の出身地のイギリスでは法律や文化、社会やライフスタイルも確率されたものがあり、変化がゆっくりしている。例えば同性婚のような変化があるときには物議を醸しています。しかし台湾の変化は激しいです。生まれたときと今とでは全然ちがうくらい変化が速いです。その変化によく適応していている台湾の人を私は非常に尊敬しています。
アリフ、ザ・プリン(セ)ス
 
Q:ウジョンオンさんの演じた役について?
 
ウジョンオン・ジャイファリドゥさん:実は僕はアーティストで台湾の世界スポーツ大会の主題歌を作ったりしています。演技は今回が初めてだったので難しかったです。この人物を演じるにあたって、自分の周りにいる同性愛の人たち、あるいは性転換を希望している人たちに会って、例えば彼らと一緒にご飯を食べたりお酒を飲んだりして、いろいろなことを観察して役作りに挑みました。こういう役こそきちんと演じなければいけないと思ったんです。
今日帰ってしまったシェリー役のチェン・ジューションなんですが、彼は東京国際映画祭に出品している『大仏+』の中でホームレスの役を演じています。
彼はシェリー役の役作りのためにある歌を聴いていました。シェリーという役は相手の男性をとっても愛していながらその愛が得られない、でも一生懸命自分で愛したということを、その曲で自分を盛り上げて役作りをしていったんです。
アリフ、ザ・プリン(セ)ス
 
アリフ、ザ・プリン(セ)ス

©2017 TIFF
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