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2017.10.27 [イベントレポート]
原 恵一監督、王道ファンタジーに初挑戦!18年完成の新作は「大サービスの娯楽映画」 『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』
原恵一監督『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』

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 原恵一監督が手がけた長編アニメ『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』が10月27日、第30回東京国際映画祭内の特集企画「映画監督 原恵一の世界」で上映され、原監督、樋口真嗣監督、アニメ特撮研究家の氷川竜介氏がTOHOシネマズ六本木ヒルズでのトークショーに出席。原監督の最新作の話題も飛び出し、作品の世界観を凝縮した1枚のビジュアルが初披露された。

 多彩な作品を手がけてきた原監督だが、新作では「現実世界から異世界へ少女が行って、色々な体験をするという物語。王道の冒険ファンタジー。僕としては、本格的なファンタジー映画は初めて」と新たな挑戦をしていることを告白。王道ファンタジー作品であると同時に、「人間の関係性とかユーモア、あとはシリアルな展開、そしてアクション。僕が作った中で、一番大サービスの作品になると思います。娯楽映画です」と説明した。

 現在、制作真っただ中で「絵コンテ作業しつつ、平行して作画作業にも入っていまして、それなりに順調に進んでいます」と報告。「タイトルはまだ言っちゃいけない」と苦笑いを浮かべつつ、「公開はまだ決まっていないが、来年には完成する予定」と明かした。

 初披露されたビジュアルは、後ろ姿の少女と自転車が描かれており、原監督は「作品の世界観を表すためにこういう絵になった」と解説。樋口監督が、「アニメーションで絶対に描いてはいけないと言われているのが自転車なんです。作画が大変だから(笑)。アニメーション的な挑戦はそこにも表れている」と指摘すると、原監督は「自転車に乗る長いシーンがある」と告白する。「そのシーンは、アニメーターがラフな動きと背景を描く作業は済ませた。自転車のように、人物とぴったり合わせなくてはいけないものや直線が多いものは、パースが狂うと一発で変だとわかるので、アニメーターは自転車を描くのは嫌がる」と話し、「だからそこに3Dの正確性をミックスして、作業をしようかみたいな話をしています」と語った。

 「映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」は、しんのすけ率いるカスカベ防衛隊が、大人だけの楽園“オトナ帝国”建設を企む組織イエスタディワンスモアに奪われた“未来”を取り戻すべく奮闘する姿をつづった。原監督は「この作品は悪役に感情移入してしまって、いつものような結末を描けなくなってしまった」と制作経緯を明かし、「このまま描いたらしんちゃんじゃなくなってしまう」という苦悩の末に、「クビになってもいいやと思って作った」と述懐。「ところがお客さんは喜んでくれた。それはものすごい驚きだった。そこから作る作品が変わっていった。形を決めて作りすぎていたと気付かされた」と感慨深げに語った。

 第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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