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2017.10.30 [イベントレポート]
『ハンナ・アーレント』監督の初のコメディ作上映 別れた夫と2人の元妻の生き方描く 『さようなら、ニック』
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   第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されたドイツ映画『さようなら、ニック』が10月30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、来日した、俳優のフレドリック・ワーグナー、プロデューサーのベティーナ・ブロケンパーがQ&Aに応じた。

 ニュー・ジャーマン・シネマを代表する女性監督で、女性革命家「ローザ・ルクセンブルグ」や哲学者「ハンナ・アーレント」まで、個性的なヒロインを描き続けているマルガレーテ・フォン・トロッタが、ニューヨークを舞台に英語で撮り上げた物語。モデルからデザイナーに転身したジェイドは、若い愛人が出来た夫のニックに離婚を申請され、さらに前妻のマリアと自宅の高級マンションの所有について争う羽目になる。

 モード界での成功を夢見るキャリアウーマンと、高学歴ではあるが、子育てを優先してきた好対照のふたりの女性を描く。ブロケンパーは、「『ハンナ・アーレント』は10年という長い時間を掛けた大変作品だったので、マルガレーテと脚本家と3人で今度はライトなタッチの作品を作りたかった。3人ともコメディは初めてですが、マルガレーテらしさが出ている作品になった」といい、「全く違った人生を選んだふたりの女性の物語で、キャリアか家庭か自分の選択を受け入れてほしいという対立が生まれる」と主題を説明する。

 また、観客からドイツ映画界の女性監督やプロデューサーの立場について質問を受けると、「私は18年この仕事をしており、始めた当初は女性プロデューサーは珍しかった。しかし、ここ10年でその数は増えています。しかし、300万ドル以上のプロジェクトにかかわる女性製作者はわずか3%。子供向けか、実験的な作品しか作れないので、闘っている状況です」と明かした。

 ワーグナーは「トロッタ監督は(自身の出身国の)スウェーデンでも伝説的な存在。撮影を終えて、家族には、『温かくて、信頼を寄せられる僕の祖母のような素晴らしい人だった』と話しました」とトロッタ監督の人柄を絶賛した。

 第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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