第30回東京国際映画祭開催まで残すところあと約1カ月!本日六本木アカデミーヒルズ タワーホールにて各部門の全ラインナップ・審査委員・各イベントの魅力・見所を発表する記者会見を開催いたしました。
イベント冒頭、久松猛朗フェスティバル・ディレクターより開催の挨拶とアニバーサリーイヤーの特別な企画や上映に関する発表がありました。
88の国と地域、1538本もの応募の中から15作品がコンペティション部門に選ばれ日本からも『最低。』と『勝手にふるえてろ』の2作品が選出されました。本日はゲストとして『最低。』から、瀬々敬久(ぜぜたかひさ)監督と主演の森口彩乃(もりぐちあやの)さん、佐々木心音(ささきここね)さん、山田愛奈(やまだあいな)さんが、『勝手にふるえてろ』から監督の大九明子(おおくあきこ)さんが登壇しました。さらにアニメーション特集「映画監督 原 恵一の世界」から原 恵一(はらけいいち)監督が登壇しました。
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またコンペティション部門の審査委員長は、俳優で映画監督としても活躍するトミー・リー・ジョーンズさんが決定し、さらに審査委員として、フランスからは映画監督のマルタン・プロヴォさん、イランから映画監督のレザ・ミルキャリミさん、中国から女優のヴィッキー・チャオさん、そして日本からは俳優の永瀬正敏さんが決定しました。
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第30回東京国際映画祭では10月25日(水)~11月3日(金・祝)の10日間の開催期間中、200本以上の映画が上映され、世界中から訪れる様々なゲストが多数登場し、Q&Aやトークショーなど映画祭ならではのイベントが目白押しです。
コンペティション部門審査委員長:トミー・リー・ジョーンズ(俳優/監督)に決定!!
<プロフィール>
テキサス州サンサバ生まれ。父とともに油田で働いたのち、セント・マークス・スクール・オブ・テキサスに進学。その後ハーバード大学で英語を専攻し、優秀な成績で卒業した。『ある愛の詩』(70)で映画デビューし、40年以上にわたり活躍している。出演作は70本以上で、アカデミー賞®、ゴールデン・グローブ賞などの映画賞の受賞・ノミネート多数。1994年、大ヒット作『逃亡者』でアカデミー賞®、ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞を受賞。監督、プロデューサー、主演を務めた2005年の『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』は批評家に絶賛された。この作品は05年のカンヌ映画祭コンペティション部門に出品され、男優賞を受賞。15年にはオースティン映画協会のテキサス・ホール・オブ・フェイムを受賞し、ハリウッドで最も称賛されるベテラン俳優のひとりとして知られている。公開待機作“Just Getting Started”ではモーガン・フリーマン、レネ・ルッソと共演し、『タイ・カップ』の監督ロン・シェルトンと再びタッグを組んだ。最近、ロブ・ライナー監督の“Shock and Awe”、ブラッド・ピットと共演したジェームズ・グレイ監督の“Ad Astra”の撮影を終えたばかり。
【東京国際映画祭フェスティバル・ディレクター 久松猛朗 コメント】
今年から東京国際映画祭フェスティバル・ディレクターを務めます久松です。皆様のおかげで今年30回を迎えることができました。この節目の開催にあたりまして過去の29回を振り返りつつこれからの進むべき方向性を再確認し、共有し、約束するという意味で今年は三つのキーワードを掲げました。一つ目は【Expansive】映画を観る喜びの共有として誰もが参加したくなる映画祭を目指します。二つ目は【Empowering】映画人たちの交流をこれまで以上に促進します、そして最後に【Enlightening】映画の未来の開拓として若いクリエイターの育成、未来の映画ファンの開拓を行います。今年は充実したプログラムを用意できたのではないかと思っております。映画ファンに届くよう、これまで以上にご支援ください。
【コンペティション部門選出作品『最低。』監督 瀬々敬久 コメント】
この映画は現役のAV女優の紗倉まなさんの小説を映画化したものなのですが、アダルトビデオというと偏見的な目で見られることもあるかと思うのですが、そういう偏見をすることもなく映画祭で選んでいただいたことを非常に感謝しています。原作はAV女優の友人関係や家族関係であるとか、それを取り巻く日常というものが緻密に描かれているんですがアダルトビデオというものが日本の社会でどういう位置付けてあるものかという事も含めて、今、日本がどう変わっていくのかということを世界の人たちに、日常の断面でいいのですが、感じてもらえたら良いなと思っています。(印象に残ったエピソードは)撮影日数も少ない中、佐々木さんが撮影中にプールに落ちるシーンで脳震盪を起こして病院に行くということがありまして・・・映画の演出だったはずが、現実になってしまって、慌てました。
【コンペティション部門選出作品『最低。』主演 森口彩乃 コメント】
(オファーを受けた時の心境)覚悟がとてもいる作品だと思っていました。最初は引き受けさせて頂いて嬉しかったのですが、撮影に入る前くらいから、なんで引き受けちゃったんだろうと思うこともありました(笑)。AV女優に染まり切る前といいますか、足を踏み込んでしまった主婦の役なので、原作の紗倉さんも書いている通り、一度足を踏み入れてしまったら・・・というようなところが映画にも描かれているのではないかと思います。
【コンペティション部門選出作品『最低。』主演 佐々木心音 コメント】
この作品に関わらせていただいて、この場に立てたことを嬉しく思います。ありがとうございます。元々原作を読んでいたのでその中で私が演じた彩乃は、多分、紗倉まなさんとも年齢が近いですし相当自分と似ている人物を描いているのではないかと思って読んでいたので、本当にこのお話をいただけたとき嬉しかったです。本当に楽しくやらせていただきました。
【コンペティション部門選出作品『最低。』主演 山田愛奈 コメント】
私はこの作品が初めて映像のお仕事をやらせていただくきっかけになった作品です。緊張していますがよろしくお願いします。(映画初挑戦の現場はいかがでしたか?)映画の現場がどういうものか分からず入ったので本当にゼロから学ばせて頂いたんですが、色々勉強になったのと、こういう風に映画がつくられているということを改めて知りました。
【コンペティション部門選出作品『勝手にふるえてろ』監督 大九明子 コメント】
本日はこのような晴れがましい席にまさかこのようなささやかな映画がお招きいただけることになるなんて、大変緊張しております。プロデューサーに原作を紹介され、綿矢さんの作品はよく読むのですがこれは読んでいなくて。タイトルを見た時に絶対やると思いました。松岡さんは現場では集中力の高い方なので、ちょっとこの映画は内向的というか、独特の性格の女の子を演じてもらっているのですけれども、リアルなヨシカそのもの、というような大変集中している姿が印象的でした。映画を撮るたびにいつも誰かにとって大事な映画になればいいなということだけを思っていましたが、それがまさかこのような形で世界の皆さんにご覧頂けて、そして、素晴らしい監督たちと作品を競うという場に並べさせて頂けるのは驚きでした。
【アニメーション特集「映画監督 原 恵一の世界」 原 恵一監督 コメント】
今日着ているTシャツは、今作っている作品のヒントです!まだまだ多くは語れないのですが。今回の特集は、現在ちょうど新作の製作中なので、過去作がこういう大きな映画祭で見てもらえるのは、そのためにもなるし、非常に嬉しく思っています。人に見られて恥ずかしいものは一本も作ってきていないつもりで、どの作品も自分のキャリアの中でとても大事にしています。(特に思い入れのある作品としては)『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』はすごく大きいターニングポイントになった作品なので、海外のメディアやお客さんに見てもらって、どういう評価をもらえるか楽しみです。(原監督の作品は希望を描くために時にはこどもには辛いのではないかと思うようなことも描くことについて)ぼくらの世代が子供のころ見ていた漫画やアニメや特撮ものなどは大体最後に主人公が死ぬという展開が多かった。そういうものに影響を受けて自分も作ることが多かったからか、子どもにショックを与えるものを作らないでくれという要請に対して、そういうものを見て育ったけれど良いショックを受けてきたので。(実写とアニメ―ション)の後、実写は完成までのスピードが早いので撮影期間が3週間くらいで、映画のほぼ完成形ができあがるというのを『はじまりのみち』で体験してしまったんです。そのあと、また絵コンテを一コマ一コマ書く仕事に戻ったときは本当にめんどくさいなと思いました(笑)
また本日の会見では登壇が叶わずでしたが、コンペティション部門選出作品『勝手にふるえてろ』主演の松岡茉優さん、クロージング作品『不都合な真実2:放置された地球』キャストのアル・ゴア(元アメリカ副大統領)さんより下記コメントをいただきました。
【コンペティション部門選出作品『勝手にふるえてろ』主演 松岡茉優 映像コメント】
東京国際映画祭コンペティション部門に選出して頂きました映画『勝手にふるえてろ』主演の松岡茉優です。今回、初めて映画の主演を務めさせて頂きました。この作品には、たくさんの思いがあるのですが、大九明子監督をはじめ、原作の綿矢りささんも女性であり、本当に多くの女性スタッフが集まって作った作品です。全国の“こじらせ女子”や、ちょっと背中を押してほしい女の子たちにこの作品が届けばいいなと思いながら作りました。きっと、たくさんの女の子たちの背中をツンツンと、つつける様な作品になっているはずです。ぜひ映画『勝手にふるえてろ』をご覧ください。よろしくお願いいたします。
【クロージング作品『不都合な真実2:放置された地球』キャスト アル・ゴア コメント】
『不都合な真実2:放置された地球』が 2017 年の東京国際映画祭クロージング作品に選ばれたことを光栄に思います。 また、最近の異常気象により被害に遭われた日本の皆様に対し心からお悔やみを申し上げます。 来日し、異常気象の問題に警鐘を鳴らす機会に恵まれることを心待ちにしております。