女優志願のマリリンヌ。オーディションに通り映画出演が決まるが、無理難題を押し付け、執拗にテイクを繰り返す監督に我慢も限界。果たして女優の夢は叶うのだろうか?迷い、つまづきながらも女優の道を歩むマリリンヌの生きざまから目が離せないヒューマンドラマ。
ギヨーム・ガリエンヌ監督はフランスの国立劇団コメディ・フランセーズ所属の俳優としてゼロ年代から頭角を現し、いまやフランス映画に欠かせない存在として人気を博している。監督第1作『不機嫌なママにメルシィ!』(13)ではひとりで複数役をこなすマルチ振りを発揮したが、第2作となる今回は演出に専念。2016年から同劇団の正会員となり、一躍若手の有望株に躍り出たアドリーヌ・デルミーを初の映画主演に抜擢し、役柄と完全に一体化したかのような瑞々しい魅力を引き出した。本作は実話をベースにしており、15年前に出会った女優から聞いた話に驚いて映画化したと監督は語る。女はいかにして女優へと生まれ変わるのか。役者という存在を知り尽くす監督ならではの感動のドラマである。